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1週間で150点のアセット:Aren't LabがDualでNick Carterのライブビジュアルを仕上げた話

コンサートはオーディオだけではありません。スクリーン、ループ、トランジション。Aren't LabはDualを使い、Nick Carterのショー向けに画像150点と動画群を1週間でまとめ上げました。

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1週間で150点のアセット:Aren't LabがDualでNick Carterのライブビジュアルを仕上げた話

コンサートはオーディオだけではありません。スクリーン、ループ、トランジション、曲ごとに切り替わる映像。それを誰かが必ず作っています。

Aren't LabはNick Carterのライブのビジュアルを担当しました。お題は、画像150点と動画を1週間で。チームがリアルタイムに承認と修正を回しながら、です。普通なら、どこかで必ず破綻するタイプの案件です。

破綻しませんでした。

ブリーフは1枚のスプレッドシート

楽曲ごとにシーンが整理されていました。場面1つにつき、説明文1行。トータルで150枚の画像を生成しながら、並行して動画を組み立てる必要がありました。

この種の案件で必ず詰まるのが、承認のループです。生成して、フィードバックを待ち、直して、また待つ。アセットが150点あれば、そのループも150倍に膨らみます。

うまく回ったワークフロー

各シーンには参考画像がありました。最初のステップは、その参考画像をテキストに変換すること。1枚ごとに「何が大事なのか」を抽出していきます。それを、必要なスタイルや要素を加えた状態で、もう一度画像に戻します。

多くのシーンが共通のスタイルや繰り返し登場する要素を持っていたので、イテレーションは速く進みました。ある結果が次の生成のベースになる。リミックスの上にリミックスを重ねていく感覚です。

面白かったのは、ケースに応じてモデルを使い分けたところ。テキストが画像に入る場合はNano Banana。特定のスタイルを当てたいときはGPT Image。リアリズムが必要なシーンはSeedream。

すべてを高い水準でこなす万能モデルは存在しません。ただ、シチュエーションに合わせて適切なモデルを選べると、結果に届くまでの時間が一気に縮まります。

あれから状況は変わった

このプロジェクトを動かしていたのは2025年の半ば。利用できるモデルは今より相当限られていました。

アニメーションはKling 2.0。画像はNano Bananaを低解像度で生成し、後からアップスケールする方式。動いてはいたけれど、余計な工程が必要でした。

今、同じ案件を回すなら、もっと速く終わります。Kling 3はv2と比べてリアリズムが大幅に向上。Nano Banana Pro、Flux Max、GPT Image 1.5は、より効率的で、プロンプト追従性も高く、4Kを直接出力できる。アップスケール工程は不要です。

Dualが新しいモデルを矢継ぎ早に取り込めるスピード感は、価値の一部です。半年前は迂回が必要だった処理が、今は一発で通る。今日まだ迂回が必要なものも、おそらく半年後には直接できるようになっています。

プロンプトエンハンサーが地味に効いた

各シーンの説明文は、ブリーフの段階では人間向けに書かれたもの。AIモデル向けに最適化された文章ではありません。

プロンプトエンハンサーは、それを機能するプロンプトへと変換してくれました。「ネオンの光がある90年代風のノスタルジックなシーン」のような一文を、モデルが実際に解釈できる形に整えてくれる。

プロンプトを書く時間が減り、結果を選ぶ時間が増えました。

コラボレーションの部分

チームがリアルタイムでアセットを承認していくスタイルだったので、共有ボードが文字どおり中心になりました。全員が同じキャンバスを見ている。修正点はそこに書き込まれる。承認済みアセットと、もう1周必要なアセットが切り分けられる。

これがなかったら、フォルダの中で散らかったファイル、行方不明になる最新版、「これって最新どれ?」というWhatsAppの応酬で、悪夢のような案件になっていたはずです。

結果

画像150点。1週間。承認されたアセットを使って、並行して動画も組み上がっていく。

このプロジェクトを担当した本人の言葉を借りると、こうです。「正解にたどり着くより、納品物を選ぶことに時間を使った」。

これがシフトです。AIが1人で仕事を片付けるわけではありません。時間が制作から判断にずれていく。レンダリングに使う時間が減り、キュレーションに使う時間が増える、ということです。


Aren't LabはDualを使って、Nick Carterのライブビジュアルを制作しました。

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